レグルスマリンは2005年の創業以来、日本最大級のマリーナである横浜ベイサイドマリーナにてクルーザーの保守管理・メンテナンスサービスを提供し続けてまいりました。
レグルスマリンがこれまで管理してきたクルーザーは規模を問わず100艇以上。
オーナー様のご愛艇をどのように管理・点検・メンテナンスしているのか、全4回にてご紹介します。
《 バックナンバー 》
#1 機関機器点検
#2 船体洗剤洗浄(船洗い)
大切なご愛艇を長く・キレイに乗り続けるために、一番身近なメンテナンス方法は「船体洗剤洗浄」です。
こまめに船体洗浄をすることで、汚れにくくキレイな状態でクルーザーを維持できます。
しかしながら、自動車より大きいサイズのクルーザーを洗うのは時間・労力が倍以上かかってしまいます・・・。
おまかせください!
レグルスマリンが、オーナー様に代わって、定期的な手洗い洗浄を行います。
「船体洗剤洗浄」とは?
一言でいえば「船を洗うこと」です。
クルーザーも係留しているだけで、自動車同様にホコリや砂で汚れてしまいます。さらに、常に潮風にさらされているクルーザーは、塩分も加わって汚れがどんどん積もります。
また、クルーザーは自動車と異なり、ほとんどの船がFRP(繊維強化プラスチック)で作られている為、クルーザーに付着した雨だれや水垢などの汚れが浸透してしまうのです。
★FRPとは・・・
繊維強化プラスチックのこと。
ガラス繊維や炭素繊維などの繊維をプラスチックと混合し強度を増した複合材料のことを指します。
お風呂のバスタブや、自動車のエアロパーツなどへも使われています。
浴槽の壁面に、入浴剤の跡や水垢汚れがついてしまってお困りの場面があるのではないでしょうか?
クルーザーにも雨だれや水垢などの汚れが浸透してしまうのです。
レグルスマリンの「船体洗剤洗浄」は2種類
■ 桟橋に係留している状態で洗浄できる範囲の船体洗剤洗浄(片舷)
「片舷船体洗剤洗浄」は、桟橋から手の届く範囲での洗浄となります。
例えば、左舷側に桟橋がある場合は、左舷着岸で係留しています。この場合、左舷側のハル部分(ガンネルより下、イメージとしては船のお腹の部分)は桟橋から手が届くため、洗うことが可能です。逆に、右舷側は桟橋が無く手が届かない為、右舷側のハル部分は洗うことができません。
■ 船を移動させ、反対舷のガンネル下も洗浄する海面上全船体洗浄(両舷)
両舷のハルを洗浄するのが「海面上全船体洗浄(両舷)」です。
例えば、左舷着岸をして係留している場合、右舷側のハル部分を洗うことができません。そのため、ビジター桟橋に移動したり、バース内で船の向き(この場合は左舷着岸から右舷着岸)を変えて、反対側のハル部分も洗浄します。
片側部分のみの洗浄となると、汚れや外観に左右差が生じてしまうため、船体洗浄をご契約いただいている管理艇の9割のオーナー様が「海面上全船体洗浄(両舷)」を選択しております。
多くのオーナー様からご依頼頂いております
「船体洗剤洗浄」は、当社管理艇の約6割のオーナー様よりご依頼頂いております。
船体洗剤手順とポイント
STEP1 水洗いで塩分・ホコリを洗い流す
船体には、塩分や砂埃・土埃などが多く付着しているため、まずは水だけで汚れを落とします
STEP2 専用の洗剤で手洗い
専用の洗剤を使用し、船体を手洗いします
FRP部・チーク部・エンクロージャー部・FB(フライングブリッジ)の屋根上など、 普段手の届かないすみずみの部分まで専用洗剤を使用し手洗い洗浄します。
船体は大変滑りやすいため、FB(フライングブリッジ)の屋根上やフロントガラスの洗浄は、細心の注意を払い、ロープを用いて洗浄します。
STEP3 船体の泡を水で洗い流す
船体を洗い終わったら、泡を水で洗い流します
※STEP2 ⇔ STEP3 の繰り返し
STEP4 船体の水分を拭き上げ
最後に船体に水垢が残らないように丁寧に水分を拭き上げます
水垢が残らないよう、素早く拭き上げることがコツ。
(某会員制倉庫型店のマイクロファイバータオルがおすすめです)
熟練したスタッフでも、2名体制で5時間~6時間はかかってしまう
洗って拭き上げるという工程は、自動車と同じです。
しかしながら、自動車よりはるかに大きいクルーザーを洗うのは時間も労力もかかり想像以上に大変です。
クルーザーの種類や大きさによって異なりますが、38ft.の艇をプロのスタッフが2名体制で作業を行っても約5~6時間、つまり 1人で作業した場合は10~12時間ほどかかってしまいます。
「大きくて大変」「忙しくて洗う時間がない」「なかなか水垢が落ちない」といったお悩みをもつオーナー様に代わって、レグルスマリンのスタッフが定期的な手洗い洗浄を行うことにより、クルーザーを美しい状態に保ちます。
月1回以上の定期的な船体洗浄を推奨
いつまでもクルーザーの美しさを維持する為には、月1回以上の定期的な船体洗浄を推奨します。
こまめにお手入れをすることにより、汚れがつきにくく落としやすくなるだけでなく、売却時の査定にも差がつくことでしょう。
月に1回洗っているクルーザーと、何も手を付けず係留したままのクルーザーで見比べてみると、汚れ方はもちろんですが、船体のツヤや直射日光・潮風による黄ばみの度合いが、全然違うことに驚かれると思います。
安全面においても重要な役割を
見た目の綺麗さだけでなく、船体洗剤洗浄は安全面においても重要な役割を担っています。
とくに操縦席のフロントガラスは、航行時に視野を保つ役割があり、フロントガラスが汚れていると視界が悪くなることから事故に繋がるケースも少なくありません。
塩分などの頑固な汚れがこびりつく前に定期的に綺麗にすることで、汚れがつきにくくなります。
安全なクルージングの為にも、毎月1回は定期的に船体洗浄を行うことをオススメします!
「船体洗剤洗浄」を実際に事務スタッフが体験してみました
5月某日、普段は事務所にて内勤作業を行っている事務スタッフが、現場スタッフの指導のもと「船体洗剤洗浄」を体験してみました。
まずは船体を水洗い
船体にたまった塩分や砂埃・土埃を流すため、まずは水洗い。
本日は気温23℃。
足元に水がかかっているせいか、やや涼しい印象でした。
係留中でも意外と船体は揺れている
係留場所や、その日の風向き風速にもよりますが、係留状態でも船体は揺れています。
特に揺れが激しかったのが担当したFB操船席。高層マンションでの地震と同様に、上部がより揺れやすいです。
開始早々、船酔いに
三半規管が強く、車の中で読み書きをしても乗り物酔いをしない自信を持つ事務スタッフ。
FB操船席まわりを担当しました。
初めての経験にわくわくしながら下を向いて船体を洗っていると、1時間もたたないうちに様子がおかしい・・・。二日酔いのような症状が(注※前日は飲酒しておりません)。
乗り物酔いの経験がほぼなくても、うつむきながら船体洗浄をすると酔いやすいことが判明しました。(ただし、個人差あり)
洗剤で手洗い⇒水で洗い流し の繰り返し
洗剤で浮き上がった汚れが乾燥する前に素早く水で洗い流します。とくに夏場や日差しが強い日は、部分ごとに洗剤で洗って水で流す作業を繰り返し、乾燥を防ぎます。
ほとんどのクルーザーが真っ白なFRPで作られているので、想像以上に乾燥するのが早いのと、船体の照り返しによる眩しさ・日焼けとの闘いです。
作業翌日は全身筋肉痛
早々にFB操船席は別の現場スタッフに交代してもらい、デッキ部分とハル部分を担当することに。
揺れが軽減されたことで酔いも治まり、前半の遅れを取り戻すこと半日。「船体洗剤洗浄」の体験は終了しました。
(協力してくれた現場スタッフ、ありがとうございました!)
普段の運動不足がたたって、翌日は全身筋肉痛になりました。
船体洗剤洗浄は自分で行うことができる?
船体洗剤洗浄は自分で行うことができます。その場合、ランニングコストを抑えることが可能です。
しかしながら、洗剤やスポンジ、クロスなどの洗浄道具を用意する必要があること、両舷洗浄する場合はクルーザーを転回させる必要があること、時間と労力がかかることなど、負担も大きい為、専門業者に依頼することをおすすめします。
レグルスマリンの選べる3つのサポートプラン
レグルスマリンでは「基本プラン」・「セレクトプラン」・「フルサポートプラン」の3つのプランから、オーナー様のご希望に沿ったプランをご提案いたします。
卓越した技術のスタッフによるきめ細やかな点検・修理・メンテナンスから船体洗浄、船内清掃、船長・クルー派遣、操船講習に至るまで、オーナー様のマリンライフをサポートするメニューをご用意しております。
基本プラン
月1回の機関機器点検と船体保守のスタンダードな保守管理プランです。基本プランならご愛艇の保守管理を税込 33,000円/月〜ご依頼可能です。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守
セレクトプラン
基本プランにご希望のオプションを追加して、オーナー様のニーズに合わせた管理プランです。6つのオプションをご用意していますので、オーナー様の様々なお悩みやご希望にそった、オリジナルのプランの作成が可能です。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守 +ご希望のオプションをお選びください
▶︎船体洗剤洗浄
▶︎負荷運転点検(洋上試運転点検)
▶︎船体メンテナンス
▶︎船内清掃
▶︎運航スタッフ派遣
▶︎操船講習
フルサポートプラン
機関機器点検・負荷運転点検・船体洗剤洗浄・船内清掃・船体メンテナンスと総合的にご愛艇を保守管理させていただく、フルサポートなプランです。専門知識も必要ありません。レグルスマリンに全ておまかせください。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守
・船体洗剤洗浄
・負荷運転点検(洋上試運転点検)
・船体メンテナンス
・船内清掃
・運航スタッフ派遣※
※船長またはクルー派遣付きプランをご契約の場合
定期的な「船体洗剤洗浄」を行い、クルーザーを美しい状態に保ちましょう
今回は、クルーザーの最も身近なメンテナンス項目である「船体洗剤洗浄」についてご説明しました。
いつまでもクルーザーの美しさを維持する為には、月1回以上の定期的な船体洗浄を推奨します。こまめにお手入れをすることにより、クルーザーに汚れがつきにくく、落としやすくなります。
これからクルーザーを購入予定のオーナー様やメンテナンスにお困りのオーナー様は、ぜひレグルスマリンにご相談ください。