「新艇のクルーザーにはなかなか手が出せないため、中古のクルーザーを購入してみたい」
娯楽や節税目的でクルーザーの所有を考えているけれど、新艇を購入するのは金銭的にハードルが高いと感じて、中古のクルーザーの購入を検討している方は少なくないはずです。しかし、一方で中古のクルーザーを購入することに安全面で不安がある方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、中古のクルーザーのメリットやデメリット、購入方法などをまとめてわかりやすく紹介していきます。この記事を読めば、中古クルーザーに対しての気になる不安を払拭できるでしょう。
中古でクルーザーを購入するメリット
中古のクルーザーを購入・所有するメリットは、主に以下の3点になります。
・高級モデルが安価で手に入る
・設備が完成しているからすぐに使用可能
・免許を取得したばかりの初心者でも気軽に乗れる
では、それぞれのメリットについて詳しくみていきます。
1.高級モデルが安価で手に入る
中古クルーザーを購入する最大のメリットは、何と言っても高級モデルが新艇よりも安価に手に入ることでしょう。
クルーザーは自動車と一緒で、同じモデルでも中古艇になれば新艇よりも値段が安くなります。そのため、新艇では予算オーバーで購入できない高級モデルのクルーザーでも、中古であれば予算内で手に入れられる可能性が出てくるのです。
また、すでに受注を終えた高級モデルを手に入れる場合も、中古販売されていないか確認するのが良いでしょう。
2.設備が完成しているからすぐに使用可能
中古クルーザーは艤装や内装などの設備がすでに完成されているので、購入してからすぐに乗れるというメリットもあります。
新艇ではエンジンなどの装備を船体に取り付ける艤装や内装を整備する工程が必要になるため、購入してからすぐに乗れる訳ではありません。また、艤装・内装を整備するのにクルーザーの購入代金とは別で費用が発生します。
例えば、陸電を使用できない走行中の電力確保のためのジェネレーターや、悪天候・夜間の航行を助けてくれるレーダー機器、フィッシングをされる場合には魚群探知機など、様々な機器を取り付ける必要が出てきます。
これが中古クルーザーであれば、機器を新調しない場合には艤装・内装の設置作業や追加費用がかからずに済むため、お得にすぐに乗り始めることが可能です。
3.免許を取得したばかりの初心者でも気軽に乗れる
中古クルーザーは新艇よりも安価なため、クルーザー初心者でもお試し感覚で気軽に操船できます。
「新艇だとクルージングの最中に船体を傷つけるのが怖くて不安」という方でも中古クルーザーであれば、操船の心理的ハードルを下げくれるでしょう。
実際、まずは中古クルーザーで操船技術を高めてから、次のクルーザーでは新艇の購入を考えられているオーナーさまもいらっしゃいます。
中古クルーザーのデメリット
先ほどは中古クルーザーのメリットについて紹介しましたが、次にデメリットについても触れておきます。
安価であることが最大の魅力である中古クルーザーですが、以下のようなデメリットも存在します。
・機関機器類の故障・トラブルが起きやすい
・船体が傷みやすい
・購入前に船艇の状態チェックが不可欠
では、それぞれのデメリットについて解説していきます。
機関機器類の故障・トラブルが起きやすい
中古クルーザーはそれぞれのクルーザーで機器の利用頻度や整備状況が異なります。傷や汚れ、シートの劣化といった外観部分は見ただけでわかりますが、エンジンといった機器の内部までは外からだけでは判断ができません。
クルーザーの走行距離から機器の疲労具合はある程度推測できますが、以前所有していたオーナーがどのぐらいの頻度でメンテナンスを行なっていたのかによって、各種機器の性能や寿命は大きく変わってきます。
定期的なメンテナンスがしっかりとされていないクルーザーの場合、走行距離が短いからといってエンジンに負担がかかっていないとは限らないため、予想していなかった機器の故障やトラブルが発生し、思わぬ出費へとつながってしまいます。
そうならないために、中古クルーザーを購入する際には整備済みで保証がついているクルーザーを選択するなどを検討しましょう。また、中古のクルーザーの機関機器類は新艇以上に定期的なメンテナンスが必要となりますので、購入後も専門の業者に依頼するなどメンテナンスができる環境を整えるようにしましょう。
具体的なメンテナンスの種類などについては「クルーザーのメンテナンス項目を知って安心・安全なマリンライフを!」をチェックしてみてください!
船体が傷みやすい
中古クルーザーは、新艇に比べてより船体が傷むスピードが速いというデメリットがあります。
もともと、クルーザー自体が常に潮風を浴びて海に浸かっているので、傷みやすいという特徴があります。
それに加えて、中古クルーザーの場合は期間はさまざまですが、すでに海上での使用実績があります。そのため、いくら再販売時に修理・メンテナンスされているとはいえ、新艇と比べるとどうしても傷むスピートも速くなってしまうのです。
このことから、中古クルーザーを使用する際は、定期的なメンテナンスがより重要になってくるでしょう。
中古クルーザー購入前に船艇の状態チェックが不可欠
上述の通り中古のクルーザーは機器や船体が痛んだ状態で購入する可能性があるため、事前にどこまで整備されているのかや機器の利用状況などを確認することが重要です。
確認を忘れて購入してしまうと、例えば1000万円前後でクルーザーを買ったにも関わらず、すぐにエンジンが故障をしてしまって修理に500万円ほどかかってしまった、といったケースが発生することもありえます。
基本的には購入前に販売店の担当者に確認するのがベストですが、最近はインターネットでの販売も増えています。その場合には、掲載情報や価格設定などから事前の整備の有無を確認するようにしましょう。
中古クルーザーの価格には一般的な自動車の中古と同じように「整備渡価格」と「現状渡価格」の2つがあります。
「整備渡価格」とは、専門の業者が修理などを行い、ある程度の保証までをしてくれる場合の価格を言います。リスクを軽減できる一方で、整備費用や補償に備えた費用が船艇価格に反映されるため、販売価格が多少高めに設定されます。
「現状渡価格」とは、その名の通りに整備などをせずに現状のままのお渡しとなるため、安価に手に入れることが可能になりますが、そこから自分で整備作業を行う必要があったり、突然の故障などのリスクは受け入れる必要があります。
同じモデル・同じ年式の中古クルーザーで値段が大きく異なる時には、機器の利用状況が悪い場合や、現状渡しであることがありますので、ネットで探される場合には整備状況などの掲載情報を必ず確認をするようにしましょう。
ご自身である程度、設備の状況などを確認できるスキルをお持ちであれば現状渡しも候補になりますが、初めてクルーザーに乗る場合など確認に自信がない時には、整備・補償のある販売店で購入するのがよいでしょう。
また、購入後も定期的なメンテナンスが重要ですので、必要に応じて専門の業者へ保守管理の依頼も検討しましょう。
中古クルーザーを購入する方法
続いて、中古クルーザーの購入方法について説明します。中古クルーザーの購入方法は、主に以下の2通りです。
・中古クルーザーを扱っている販売店から購入する
・中古クルーザー専門販売サイトで購入する
では、上記の2種類の購入方法を詳しく見ていきましょう。
中古クルーザーを扱っている販売店から購入する
中古クルーザー購入の1つ目の方法は、中古クルーザーを扱っている販売店から購入するパターンです。
有名なメーカーと新艇の専売契約を締結している販売店では、そのメーカーの中古クルーザーも扱っているケースが多くあります。一般的に修理工場も有している場合が多く、何かあった際にもスムーズに対応をしてくれるため安心感がありますので、初めて購入される場合にはこのような販売店を選んで購入するのが良いでしょう。整備渡しになることがほとんどですので、価格設定は少し高めとなります。
この他にも、メーカとの間で専売契約を締結していない販売店もあります。クルーザーの保管や修理などを本業としている会社などに多く、販売量もそこまで多くありません。しかし、販売と保管をセットにした価格であったりなど、独自のお得な価格設定にしている場合もありますので、保管場所が先に決まっている場合には、そのエリアで一度相談してみるのもよいでしょう。
中古クルーザー専門販売サイトで購入する
中古クルーザー購入の2つ目の方法は、中古クルーザー専門販売サイトで購入するパターンです。
中古クルーザー専門販売サイトでは、日本全国のクルーザーの所有者が売却したいクルーザーの情報を船体画像付きで随時アップしています。
インターネットにアクセスできる環境であれば、時間や場所を選ばずに予算や船体状況などの条件を絞って好みの中古クルーザーをリサーチできるので、販売サイトの利用は非常におすすめです。ただし、インターネットで探す場合でも、好みの中古クルーザーが見つかった場合には現地で船艇の状態確認をすることは忘れないようにしましょう。
中古クルーザーのサイズ別購入料金
中古クルーザーも新艇同様に船体サイズによって価格が異なってきます。そこで、ここではサイズごとの中古クルーザーの価格相場について解説します。
実際の金額が気になる方は、上述した中古クルーザー専門販売サイトにてサイズごとに検索してみるとよいでしょう。
20フィートクラスの小型クルーザー
20フィートクラスの小型の中古クルーザーの価格は、古いモデルであれば、なんと100万円を下回る破格の安さで販売されているケースもあります。しかし、一般的には、10年前後の利用歴があるクルーザーで、20フィート前半であれば数百万前後に、20フィート後半であれば1,000万を超える金額帯が多くなります。
また、20フィート台後半クラスで比較的新しいモデルの中古クルーザーになると、中古とはいえど2,000万円Overのケースもあります。
30フィートクラスの中型クルーザー
30フィートクラスの中型の中古クルーザーは、1,000万〜2,000万円ほどが相場になりますが、大きさや年式によっては大きく変わってきます。最安のモデルであれば400万円程度と比較的安価に購入することもできますし、30フィート台後半クラスで比較的新しいモデルの中古クルーザーでは、5,000万円を超えてくる場合もあります。
基本的に船体サイズが大きくなるにつれ価格は上がりますので、全体的な相場としては、30フィートクラスの中古クルーザーは20フィートクラスの中古クルーザーよりも値が張ってきます。
40フィートクラスの大型クルーザー
サロンクルーザーなど40フィートクラスの大型クルーザーの場合は、中古であっても1億円を超えてくるモデルが多数あります。
このクラスの中古クルーザーはもっとも安くても数千万円は購入費用として準備しておきたいところです。
中古クルーザーはメンテナンスが不可欠
中古のクルーザーは新艇よりも傷みやすいため、長く利用するためにも定期的なメンテナンスは欠かせません。
レグルスマリンでは「基本プラン」・「セレクトプラン」・「フルサポートプラン」の3つのプランから、オーナー様のご希望に沿ったプランをご提案いたします。
卓越した技術のスタッフによるきめ細やかな点検・修理・メンテナンスから船体洗浄、船内清掃、船長・クルー派遣、操船講習に至るまで、オーナー様のマリンライフをサポートするメニューをご用意しております。
基本プラン
月1回の機関機器点検と船体保守のスタンダードな保守管理プランです。基本プランならご愛艇の保守管理を税込 33,000円/月〜ご依頼可能です。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守
セレクトプラン
基本プランにご希望のオプションを追加して、オーナー様のニーズに合わせた管理プランです。6つのオプションをご用意していますので、オーナー様の様々なお悩みやご希望にそった、オリジナルのプランの作成が可能です。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守 +ご希望のオプションをお選びください
▶︎船体洗剤洗浄
▶︎負荷運転点検(洋上試運転点検)
▶︎船体メンテナンス
▶︎船内清掃
▶︎運航スタッフ派遣
▶︎操船講習
フルサポートプラン
機関機器点検・負荷運転点検・船体洗剤洗浄・船内清掃・船体メンテナンスと総合的にご愛艇を保守管理させていただく、フルサポートなプランです。専門知識も必要ありません。レグルスマリンに全ておまかせください。
【サポート内容】
・月1回の機関機器点検
・船体保守
・船体洗剤洗浄
・負荷運転点検(洋上試運転点検)
・船体メンテナンス
・船内清掃
・運航スタッフ派遣※
※船長またはクルー派遣付きプランをご契約の場合
まとめ
今回は、中古クルーザーのメリットやデメリット、購入方法から船体サイズごとの価格相場まで紹介しました。
中古クルーザーは、何と言っても新艇と比較して価格が安価である点が魅力です。そのため、あこがれの高級クルーザーに比較的低価格で乗れるチャンスを秘めています。
本記事で紹介した中古クルーザーのデメリットよりもメリットの要素のほうが圧倒的に大きいです。そのため、クルーザーの購入を考えている場合は、中古艇を選択肢の1つに入れてみるのも良いでしょう。